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発達障害

2025年7月1日

---周囲との違いをどう受け止めるか(母からの報告)---


経過幼いころから「ほかの子と少し違うかもしれない」と感じていました。集団での行動やルールを守ることが苦手で、学校では周囲と上手くなじめていないと聞いていました。授業についていけず、先生から注意を受けることもしばしばあったようです。しかし、家では好きなことに集中する力が強く、熱中できる分野もありました。高校進学のタイミングで担任の先生の勧めを受け、専門機関に相談したところ、発達障害(ASD:自閉症スペクトラム障害)という診断につながりました。


発達障害の特徴】発達障害(神経発達症)は、生まれつきの脳の働き方の違いから、行動や気持ちの表れ方に特徴がある状態です。発達障害があっても、自分自身や家族・周囲の人が特性に応じた過ごし方を工夫することで、持っている力を活かしやすくなったり、日常生活の困難を軽減させたりすることができます。


発達障害はその特性や表れる困りごとによって、大きく3つのタイプに分けられています。特性が目立つ人もいれば目立たない人もいます。また、複数のタイプを併せ持つ人もいます。そのため、苦手なことや困る場面はそれぞれ異なります。


  1. 自閉スペクトラム症(ASD)

    • 特徴(例)

      • 人との距離感や会話のやりとりが難しいことがある

      • 興味が限られていて、好きなことには深く熱中する

      • 決まったパターンやルールを好み、変化が苦手

    • 生活面での特性(例)

      • 趣味やこだわりに多くの時間やお金をかける

      • 感覚的な説明より、数字や具体的な表現の方が理解しやすい

      • 急な予定変更などに強い不安や混乱を感じることがある

      • 完璧を目指すが、うまくいかないとやる気を失うことがある


  2. 注意欠如・多動症(ADHD)

    • 特徴(例)

      • 注意が散りやすく、集中を続けるのが難しい

      • 気が進まないことになかなか取り組めずに先延ばしする

      • 気になることにすぐ反応してしまう

    • 生活面での特性(例)

      • 家事など、一度に複数の用事をこなすことが苦手

      • 時間の期限や大事な締切りを忘れやすい

      • 片づけや掃除が苦手で、部屋が散らかっているため探し物が多い

      • いいと思ったら即行動するため、衝動買いなど計画外の行動が多い

      • 作業していても気になることがあると途中でも他のことを始めてしまう

      • 次々と思いついたことを話してしまい、うっかり失言してしまう


  3. 限局性学習症(LD)

    • 特徴(例)

      • 年齢や知的発達などに比べて文字や数の読み書きや計算など、特定の学習分野が極端に苦手

    • 生活面での特性(例)

      • 書類を読んで内容を理解することが苦手

      • メモを取ることが苦手

      • とっさに計算して小銭を出すことが苦手

      • 料理のレシピなどを見て配合を計算することが苦手


    発達障害のある方は、周囲と少し違った感じ方や考え方を持つことがあります。ですが、それは「個性」のひとつでもあります。診断がゴールではなく、より過ごしやすくなるための第一歩です。


    どのような特性があっても、自分らしく安心して生きられる社会づくりが大切だと、私たちは考えています。気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。


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